猫屋敷+

TRPGサークル グループねこぢゃらしの活動記録

【混沌の血脈】第1話「輝ける暗黒の書」4

<<BACK  目次  NEXT>>

Ep.4 診療所は戦場のごとく

楠見 「気になるんで、逐一見てます」
椎名 「僕は話す」



KP 「 そしたらね椎名さんが情況を説明してくと、手紙が来たってところでは、うんうんとうなずいている。死体を発見したというところで、眉を一瞬上げて、でうつむいて目で先をうながす。あと椎名さんが電気を触っちゃったってところで、ふっと目を大きく見開いたね」
楠見 「 それは驚き?」
KP 「 驚きだね。心理学振って出たら、もう少し詳しく…。驚きだね」
楠見 「 お、驚いている。そりゃそうだよな。ははは」
KP 「 驚いた後で手に目をやって『そんなことがあったんですか』」
楠見 「 妙に落ち着いてますね。てっきり泣き崩れるかと」
椎名 「 かずこさんは気丈だから」
かずこ 「肉親の死というものは、なかなかすぐに把握できるものではありませんもの」
椎名 「実際に見てないしね」
かずこ 「私か出るときはあんなに元気そうだったのに」
椎名 「 何日位旅行に行ってたんですか」
かずこ 「昨日の朝発ちまして、向こうで一泊して、つい先程帰ってきました」
楠見 「 ふうん」
椎名 「楽しかったですか」
楠見 「こんなときにっっ」
かずこ 「用事があると言って残った父を、無理にでも引っ張っていくべきでしたわ」
椎名 「 そう言えば、最近教授が急いでやってることなんてありました?」
かずこ 「…先日行った中東での調査の資料などを、整理しているようでしたけど」
椎名 「 なんか言いたいことでもあったのかな」
楠見 「 そうだねえ、なにか清四朗君を呼ぶようなことがあったのかな」
椎名 「 うん、結構字が急いでたんだよね。でも急ぐものを手紙で出すかな」

(楓  「歩いてみかん持っていく娘に、行かせりゃいいのに」)

椎名 「その資料の中で変わったものでも見付けて、僕に見せようとしたのかな」
かずこ 「さあ」
椎名 「手紙っていうことは、その場を離れられないほどに凄いものだったのかな。教授はなにか言ってませんでしたか?」
かずこ 「椎名さんをお呼びするようなものはなにも」

楠見 「 うーん、なぞだあ。しかし何故こんなにおちついてるんだ、この女。と、内心おもっている」
椎名 「 そりゃ思うんだろうね」
楠見 「 医者だから、身内が死ぬ場面て結構見てるじゃない。それらのパターンに当てはまらないから、ふに落ちないものはある」

かずこ 「一通り伺ったようなので、警察の方に行こうと思うのですが」
楠見 「 はあ。引き留めてしまってすみませんでした」
かずこ 「いいえ。こちらの方こそ引き留めてしまって申し訳ありませんでした」
楠見 「 では、お気を強く持って」
かずこ 「有り難うございました」
椎名 「 気をしっかり持ってくださいね。じゃあ」


楠見 「 …いやあ、清四朗君。どうも落ち着いてると思わないか」
椎名 「 うん、落ち着きすぎとは思ったけど」
楠見 「 いろいろ気になることはあったねえ」
椎名 「 とりあえず、気になる、だけで帰るんだろうな」
楠見 「 あ、君一応安静なんだから早く帰りましょう」
椎名 「 じゃあ、走って帰りましょうか」
楠見 「 そんなに死に急ぎたいですか」
椎名 「 ……」
楠見 「 寄り道しないという意味であって、走れと言うことじゃありませんからね。僕が言いたいのは」
椎名 「 すまん」
楠見 「 三吉さん帰っちゃったねえ。夕げのごちそうしようと思っていたのに」
椎名 「 三吉さんにも悪いことしたな。あした謝っておこう」
楠見 「 なかなかいい人だね」
椎名 「 うん、僕の友達だからね。とりあえず安静って言うからには今晩はもう寝るよ。」
   


KP 「 で、翌日の朝なんだけど」
楠見 「 たんたんたんたん」
楓  「 新聞にはミステリータッチの記事が載っている」
KP 「 …東亜新聞とってる?」
楠見 「 うん」

楓  『 ----大学教授謎の怪死。密室の中で彼は何故…』

楠見 「なんか色物くさい記事ですね」
椎名 「あいつなんかウソ書いてないかなぁ」
柊  「家でその記事を読みながら『まあ椎名さんの家の近くですわね。世田谷っていったら』なんて言ってる」

楓  『----一人娘はいったい何処に消えたのか』

楠見 「……。清四朗君、卵焼きは残さないでくださいね。死因なんかは言及してあるの?」
KP 「 うん」
楠見 「どこまで話したのかな」
椎名 「 聞かれたことは…、でも詳しくは話してないはずなんだけどな」

楓  『 ----確かなスジからの情報によると、感電による心臓マヒが直接の死因らしいが…』

椎名 「 ----……」
楠見 「 ----確かなスジって何だろうね。これってさ、『新聞』じゃないよ」
椎名 「 週間誌じゃないの、これ」
楓  「 本当は書かれているんだけど、ウソくさいと」
椎名 「 駐在さんにお怒られなきゃいいけどナ」
楠見 「 怒られるのは僕たちじゃないかな」
椎名 「 僕詳しくしゃべってないよ」
楠見 「 話したのは清四朗君だよ」
椎名 「 駐在さんも詳しくじゃなかったらいいって言ったよ。第一楓ちゃんもしゃべってないよ」
楠見 「 はははは」

楓  「 あ、この時点では娘さんが帰ってきたこと知らないから、謎の失そうになっている」
椎名 「 かずこさんが読んだらどう思うんだろう」
楠見 「 これ凄く彼女に迷惑がかかるんじゃないかな」
椎名 「 ちょっといなくてさあ、くらいしか言ってないよ」
楠見 「 ----あやしい新聞だなあ」
椎名 「 あ、9時くらいに、さくやさんが来るんだろうなあ」
   


柊  「 8時くらいかも。知らない人の家に行くものだから、びくびくしている。『いつまでもこのままじゃいけないわ。早くこの対人恐怖症を治すなきゃ』」
椎名 「 でもなるべく下を見ながら歩いてるんでしょ」
柊  「 そうそう」
楠見 「 ここは朝8時ごろから診療開始かな」
柊  「 その頃には戸口に立っているんだろうな。とんとん『あのぅ』」
楠見 「 聞こえてないよ、多分。うわぁっ、おじーちゃん。どーしてこんなことしたんですかっっ」
KP 「 じゃあ、清四朗君、目星」
椎名 「 僕?…頼む、気付いてくれっっ」
楠見 「 僕もふろう。----」
椎名 「 ふ…、愛が勝った。ちなみにひなたぼっこも振っていい?45、成功」
三吉 「 ひなたぼっこ成功って何だよそれ」
椎名 「 だから、心地よくひなたぼっこをしてるんだよ」
KP 「 そうすると、正面の方から『すみませーん』て声が聞こえてくる」
椎名 「 はっ。だだだだだだだっっ」
柊  「 多分戸口で困ったような顔をして立っている」
椎名 「 裏から正面玄関へ。『さ、さ、さ、さくやさんっ、こ、こちらですっ」
柊  「 はい、おじゃまします」
椎名 「 いそいそと茶を入れる。けど舞い上がってるから」
 
----想像はつくけどね。
     
柊  「 あ、お構いなく」
KP 「 …構ってほしくないかも」
楠見 「 その間もこっちは戦場。うわぁっ、おじーちゃんっ」
柊  「 あのぅ、忙しそうですね」
椎名 「 ピシャッ」
楠見 「 ひ…ひどい」
椎名 「 か…彼は、その、しょ、しょうがなくて、あの、あああ僕はいったい何を言っているんだあっ」
柊  「 多分それが彼の仕事だって言いたいんだろうと思っておく」
椎名 「 でもって、そのまましーん」
KP 「 三吉さんは、いつごろ来ますか」
三吉 「 んー、俺は昼過ぎかな」
柊  「 あの…お仕事のほうは…」
椎名 「 はいっ」
楠見 「 何かするんだったら奥の部屋使ってくださいね」
   


楓  「 わざわざ正面玄関から『今日は新聞読みました?」
楠見 「 あ、裏から入ってね」
楓  「 いやだわ先生、そんなに邪険になさっては。新聞読みました?」
楠見 「 これちょっと持っててくれるかな」
楓  「 は、はいっ」
楠見 「 ちょっとその子抱いててね」
楓  「 大丈夫だよー、いたくないからね」
楠見 「 以下省略」
KP 「 そして昨日の戦いが、また繰り返される」
椎名 「 ぎこちない動作で、これ、原稿用紙。これ、鉛筆です。これ、消しゴムです」
柊  「 はい」
椎名 「 ----あ…、そう言えば、この前のところの原稿、渡しちゃったんだ。…前半部分を考える」
楠見 「 左手で書いたのを清書してもらった方が、早かったのでは」
椎名 「 …いい天気ですねえ」
柊  「 はい、『いい天気ですね。』」
椎名 「 いやあ、ひ、ひなたぼっこ日和ですね」
柊  「 『日なたぼっこびよりですね』…かぎかっこかなぁ」

----結局三吉さんが来るまで、この状態のまま。まったく…。

椎名 「 なんか一気にボッていきそう。頭から煙り出てるの」
柊  「 なんでこの人気がつかないんだろう。心理学85持ってるのに」
KP 「 自分のことがわからないっていうのが、残りの15なんだよ」
柊  「 なるほど。人のことだけか」

----…君、前作引きずってるだろ

三吉 「 昼過ぎたら行くよ」
楠見 「 昼になったら『あ、いらしてたんですか。来たんだったら言ってくれればいいのに、みずくさいな』」
楓  「 しっかり玄関からごあいさつしました」
楠見 「 ああ、裏から入ってこないと駄目ですよ。まあよかったらご飯食べてゆくかい?」
楓  「 もちろんです」
楠見 「 …遠慮のない人だなあ。こっちだよ」
楓  「 あら、椎名さん新しい仕事ですか?ぴらり、『いい天気ですね』『日なたぼっこびよりですね』…これが出だしですか」
楠見 「 作風、変わったんじゃないかい。清四朗君」
   

「じゃ、行きます。ウラから」
楠見 「ああいらっしゃい。あなたも一緒に食べますか」
三吉 「ああ、メシまだだったんですよ」
椎名 「さ、さくやさんも、どうぞ」
楠見 「たいした物はないんですけどね。男の一人暮らしは」
柊  「強張ったほほえみを浮かべて『はい…』」
三吉 「あ、これさし入れね、それと原稿」
椎名 「----相変わらずすごいな、おまえの絵はさ」
三吉 「うーん、でも金ないんだよな」
楠見 「…こっちも、何故か入ってこないんですよね」
椎名 「ひぃーって目をそらすんだろうね」
柊  「そういえばお見舞い持ってきたんですけど」
椎名 「えっ、いーんですか?そんなに気を使わなくても、たいした怪我じゃないのに」
楠見 「たいしたことなのいなら、書けばいいのに…。あ、デザートはあのみかんでもいただきましょうか」
椎名 「ど、どうぞ」
柊  「あ、ありがとうございます」
楠見 「そういえば、有原教授の件はどうなったのかな、新聞社の方には何かありましたか?」
楓  「これといって。あ、娘さん帰ってきているそうです」
楠見 「『謎のしっそー』か」
椎名 「楓ちゃん、僕あんなこと言ってないよ」
楠見 「僕も言ってない」
楓  「でも昨日からいないって…」
楠見 「それは『しっそう』ではなくて『留守』」
楓  「言葉のあやですわ」
楠見 「…僕は今まで、記者の仕事を誤解していたような気がするよ」
楓  「記者----それはとても高尚な仕事ですわ」
椎名 「…とりあえず、駐在さんから電気の事聞くのが一番じゃないかな」
楠見 「そうだね僕は専門じゃないからね」
柊  「一人だけ話がみえない」
椎名 「そのことに気付くかな」
KP 「うーん、心理学」
椎名 「35…、愛、愛だ…っ。とうっ」


<< BACK / NEXT >>Ep.5 日常は緩やかに侵食される

>>目次
関連記事

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。