猫屋敷+

05冬しおり【職業、仕事人】

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05年冬コミで使用したしおり用イラスト。制作:KAZ-屋...

小話:初夢【職業、仕事人】 …ふじもとたらう

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神田の小料理屋、六角(むすみ)屋に件の三人が揃って姿を現したのは、薮入りの小正月も過ぎ、新春の賑わいに沸いていた町が常の形に収まった頃であった。「そういや、なぁ。旦那方はどんな初夢、見たんだい」寄木細工職人の太一郎が久々に顔をあわせて相席した町同心、そして当然の様に同じ卓に着いている長屋の隣人に尋ねたところ、「俺は、見ていない」相も変わらぬ仏頂面で応えたのは、これまた相も変わらぬ同心姿…浅黄鼠の小...

小話:香 【職業、仕事人】 …ふじもとたらう

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”仕事”の後にな。あの赤い紅い鉄錆の臭いが、やけに鼻についてさ。そいつがいつまでも纏わりついているような気がしてなぁ。どうにも落ち着かなくて、匂い袋をひとつ、買ったんだ。……そうしたらさ。”やめたほうがいいですよ、旦那。逆に、臭いますし”なぁんて事を言いやがったんだな、あの野郎が。”お前さんは、鼻が利きすぎるんだよ”そう返してはみたものの、確かにこんなもんで誤魔化しきれるもんじゃあ無かったんだよな、あの臭...

小話:香 【職業、仕事人】 …天崎李玖

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「おや、もう帰るのかい?」気怠い仕草で女がその身を起こす。「そろそろ戻らないと木戸が閉まってしまいますから」泊まっていけばいいのに、と寄り掛かる手をやんわりとほどく。「冷たいこと。いい人の所へお帰り?」いい人がいたらここにいないでしょう?ゆったりと笑い、枕元に置いてあった刀をきり、と帯に差す。女は男が武士であった事を今更ながらに意識した。もっとも、男の持つ、どこか崩れたような華やかさは、武士を演じ...

小話:雨 【職業、仕事人】 …天崎李玖

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 灰をといたような空色と。 抑揚もなく振り続き雨は。 情けなしと恨み言を涙まじりに言う、女のようだと。 錦糸を手繰る手を止めた男は、外をみやると、そんなことを思った。 ふいに。 重たい雨音に、軽やかな足音が混ざるのに気づき、織上は引き戸に手をかけた。 立て付けの悪いそれが、出し抜けに開き。 訪問者はぽかんと口を開け、総髪の浪人を見上げる。「わ。鞠のお師匠様…どうして鈴がくるの、わかったの?」「お鈴...